猫に恋する物語
すると丁度少しボケが始まってそうなおばあさんが通りかかった←失礼(笑)。

おばあさんは俺を不思議そうに見つめると、いきなり目を見開き、

「おじいさんっ!」
と叫んだ。


・・・・・??

えっ!?

念の為に俺は背後を振り返る。

もちろん誰もいない。


ということは、、、


・・・・・・・。俺のことか!


豚と間違えられることがなくて少し安心した俺だが・・・。


*いくらなんでもそれはないだろう!

気がついたら喋っていた。

「あらあらおじいさん成仏できなかったの?」
おばあさんはそんなことを言う始末。

*・・いや。・・ええと。俺は違うんだ。人違いだ。ん?猫違い?

「あっ違うわよねぇ私を迎えに来たのねぇ。」

「でももうちょっと待って。今、孫が生まれそうなのよ」

*だから違っ!孫?それはおめでとう。

「ふふふ、どうせならおじいさんも見ていきなさいよ。いつまでいられるの?」

*そうだな。あと一週かってそうじゃない!あんたの連れはちゃんと成仏してるさ。俺は猫だ。

「あらそぉー一週間。長いわねぇー。」

・・・・・・。話が恐ろしいほどかみ合わない。
ええい!こうなったらやけくそだ!学校の場所も聞いてやる!


@そーなんじゃよ意外と長くとれたんだ。
・・・。じゃよ。

*ところで聞きたいんだが・・・聞きたいんじゃがこの辺にある高校で一番近いとこはどこじゃ?

「あら、おじいさん女子高生でも見に行くの?」

*・・・・・・・・・・。

なんか・・・挫折しそうだ。


*いや、用事があるんだ。

おばあさんは、しばらく考える素振りを見せる。

「そぉーねぇー あそこかしらね
名前忘れちゃったけど・・・。」

「ああっ地図書いてあげるわ!」


おぉっ!でも待てよ。このボケが入ったおばあさんの書く地図は頼りになるのか。
疑問に思ったが他に方法もないので一応頼ることにした。

おばあさんが書いた地図は意外とわかりやすいもので俺にも理解することができた。

別れ際おばあさんは買い物の帰りだったのか、りんごやらみかんやらを風呂敷に包んで俺の体にもたせた。

半ば強制的に・・・・。

うっ、ぐっ!重いっ・・・!

というかこれだけしといてまだ気がつかないとは・・・。どれだけ重症なんだ。

少しだけおばあさんが心配になる。






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