猫に恋する物語
@ん?そういえば、あんたもお腹すいてんじゃないの?

私さっき思い出したんだけど、あんたのぶんの朝ごはん忘れてたし。一緒に食べましょう

*おぉっ!いいのか?

@いいわよっ。そもそもあんたが届けてくれたんだから。冷凍食品ばっかりだけど我慢し・・・
「てよ」と言う前に私が弁当箱を開けたものだから最後まで言い切ることなく「てよ」は心の中で言うことになった。

・・・・・・・・・・・・。

両者沈黙の末。


私は再び弁当箱の蓋を閉める。


メタボは気まずそうに私と目をあわせようとしない。

@・・・・・・・・・。

*・・・・・・・・・。

@これ・・・・・。どうしたの・・・

しばらく沈黙した後ようやくボソボソと蚊のなくような声で言った。

*・・・・・。落としたんだ。

@そう・・・・・・・。


そして私は再び弁当箱を開ける。

そして閉める。

それを繰り返すこと約十三回。

@・・・・・・・・・。

ひたすら気まずい沈黙が続く。

メタボがさらに身を縮こませてこれでもかというほど小さくなったとき、


@まぁ腹の中におさまっちゃえば同じよねッ

私は開き直った。


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