猫に恋する物語
□ちょっ!ちょっとちょっと!

私に引っ張られてようやく正気に戻った□が話しかけてきた。

□ちょっ速いはやい!コケる!止まってぇぇぇ!!

私は後ろを振り返る。

ついてきていないと分かるとようやく足を止めた。

というか、よく考えたらあの歳じゃもう走れないだろう。

したがってついてくるなどありえない。

あはは。滑稽だなぁ、と思った。笑える。

□がぜぇぜぇ言いながらもまた話しかけてきた。

□あっあのひと・・・・@の知り合いじゃ・・・ないの??逃げてきた・・けど大丈夫なの?

@いや、あんたが大丈夫か。めちゃくちゃ苦しそうよ。

□あははは。気にするな。私の敵は、今も今までもこれからも変わらず“運動”だぁ!

@いや、そんなキメ顔で言われても・・・。
全然かっこよくない。というかむしろかっこ悪い!

□ヒドッ!!

おぉっ。ホントに傷ついたような顔をしやがった。

@ともかく、


―話を流す―

□おいっ!

@私は知らない。あんな人、私は会ったこともないし、知らないわ。だから気にしないで。 

□・・・・・。

□は何かもの言いたげな顔をしたけれど、追求してこなかった。
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