猫に恋する物語
じゃあね、といって私たちは別れた。

□は家の前まで送ってくれた。

悪かったなぁと思いながらも私は家に入る。

見慣れた玄関。見慣れた廊下。見慣れたリビング。

未だにそれらの中にメタボの姿を探してしまう私はおかしいのだろうか。

なぜこんなに引きずっているのだろう。

自分でも分からないほどに過去にできていない。

とりあえず私は靴を脱ぎ、私服からぐうたらしやすいジャージに着替える。

色気もクソもあったものではない。そう、あれから気にしなくなった。

メタボがいなくなってから色気とか恋とかそういう女の子っぽいものに。
その前は興味がないと言えば軽い嘘になるぐらいの興味はあったのに。


私は恋をしているのだろうか。
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