猫に恋する物語
沈黙が続く。永遠のように感じられる時間が流れる。

私は、私はどうしたいんだろう。自分に語りかけてみる。

ただ、がむしゃらにここまで来てしまったけれど私には家族もいるし大学もあるし家もあるし□もいる。

この世界につなぎとめられる理由はいくらでもある。

わからない。だんだんわからなくなってきた。

私は、私は全てを捨てて猫のために生きるのか。

・・・あはは。傍から見たらさぞ滑稽だろう。

こんなもの迷うまでもなく答えは決まっている。おばあさんも普通は選ばない・・・といっていたではないか・・・。

それでも迷っている自分に無性に腹が立った。


―そして―。

私が行きませんと言おうとしたその瞬間、


□行くよ!@は勇気いっぱい持ってるし、ずっと・・・ずっと探してたんだからっ。もう、@の悲しそうな顔は見たくないよ。もちろん私も行きます。


□が沈黙に耐え切れなくなったのか私のかわりに私とは違う答えを出した。

でも、本当は、私もそう言いたかったんだ。


私は行きたい。メタボに会いたいんだ。もう一度。何故こんなにも惹かれるのか。確かめたい。


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