猫に恋する物語
@うっ・・・ぐっ・・・重っ!ちょっ。ほんと何なのよあんたっ。 

すっかり□の顔も治り私たちは黙々と斜面を下っていたのだけれど、足にツルや枯葉が絡まりいっこうに進まない。

私に至っては10キロぐらいありそうな荷物を背負ってである。

□もへばってきたのか無口になり、そうしているうちに日が暮れてきた。

@辺りが暗くなる前に寝るとこ探したほうがいいんじゃないの?

□そだね。なんかすごい疲れた。丁度いいような場所はないもんかねー。

@さぁーそんな都合のいい場所あったらねー

すると一際大きい木が私たちの前にそびえ立っていた。

□あの木の下なんかいいんじゃないの?

@そうね。良い感じ。なんかワクワクしてきたっ。


生まれてはじめての野宿だ。


そして、□が二人分の寝袋を出してくれる。

おぉっ。何か凄い役に立っている。あれだけ馬鹿にしていた私は素直に感心した。

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