猫に恋する物語
私、思うのよ、人間喋ってることの80%は大抵くだらない、意味の無い話よね。

そして私たちの会話は100%よね。

こうして会話を続けている間も私たちは足を止めることなく進み続ける。

そうして私は違和感に気づいた。

あれから結構な量を進んでようやく気づいた

私たちは元気だった。

元気だった。

奇妙なほどに、不気味なほどに。

固い地面で寝たのに全くと言っていいほど体は普通に動いた。

さっきは流してしまったけれど、これは明らかにおかしい。

通常はストレッチなどをして体をほぐさないと動けないのではないだろうか。

そして、もう一つ。□の息が上がっていない。全く。これっぽっちも。 昨日は息が上がっていたの
に。

おかしい! これはおかしい!なにがどうなっている?


焦りが恐怖に変わり始める。

言っておきますけど、全く知らない土地では些細な矛盾が多大な恐怖に変わる。

これはおばあさんが言っていた“見た目は同じでも中身は、創りは何もかもが違う”というやつなのだろうか。

私は今更、この世界では自分が全くの無知である、という事実を怖く思った。



@たちはまだ気がついていない。

星の光を浴びてから、自らが疲れを感じていないということに。――


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