猫に恋する物語
@あっあんた何が「お嬢さん。お茶でもいかが?」よっ!頭おかしいんじゃないの?

□うっ・・・。仕方ないじゃん!思い浮かんだのがそれだったんだから。

@はぁーっ。あんたの脳内を一回だけ見てみたいわ。一回だけね。

私たちは全速力で斜面をかけ下りながらも会話を続ける。

普通ならばできない、異形の業だ。

やはり□の息は上がっていない。

私も10キロとまではいかないどろうけど重いリュックを背負いながらの全速力をしているのに疲れを全く感じない。

奇妙だ。今はそれどころではないのでとりあえずその考えは頭の隅に放り投げる。

30分ぐらい熊との追いかけっこをした後、そのあと熊は突然くるっと180度向きをかえて逃げるように戻っていった。

私たちは不思議に思って立ち止まる。

そして私は気がついた。

私たちの目の前に大きな大きな町が広がっているという事に。
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