猫に恋する物語
町の人々は私たちが“余所者”とわかっているかのように目を合わせようとしない。

どこか鬱陶しそうな雰囲気を漂わせている。

@どうやら、私たち歓迎されていないみたいね。

□みたいだね・・・・。うーんなんでかなぁー。

@まぁ気にしないのが一番よ。とりあえず町を探検しながらこれからの事を考えないと・・・。いつまでも放置って訳にはいかないんだし・・。

□うあぁー。そう考えると気が重いやぁー。

□は項垂れる。

私たちのテンションはこの町のどこか冷めた雰囲気によって急激に落ちた。

□でも本当に綺麗だよね。どこか外国めいていて、地面は白いレンガで形作られてるしこの町中に張り巡らされた水路はどこに繋がってるんだろう?全部街の中心に向かって流れているように見えるねっ。

@そうね。でもまぁここの人たちは水には困らなさそうね。私たちも。


レンガ作りの家々を越えていきやがて大きな道路に出た。

そこはもう住宅街ではなく沢山の店、店、店

綺麗なのは住宅街だけだったようだ。

奥に行くほど街並みが廃れた感じになっていく。

その通りにあるのは、古びた本屋に趣味の悪そうな服屋、沢山の果物屋さんに魚屋さんでは見たこともない魚が紐に吊るされてずらっと並べられている。魚の顔ってちょっと怖いわね。


そんなことを考えているとホテルらしきものがあるのが見えた。
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