あかさ
第1章
涼~りょう~
「ずっと前から
…好きだったんだ…。」
『…。俺もだよ。付き合お。』
なーんて。小説みたいな恋に
憧れるあたしは、
高城咲來(たかじょうさく)
ギリギリで入った
この高校も早いもんで
二回目の春を迎えた。
なんておもいながらも
読んでいた小説を閉じた。
「どしたのさ~。また涼のこと?」
と聞いてきたのは、
幼なじみの親友。
新山光(にいやまひかり)。
光は、バスケ部でこれでも
中学時代はキャプテンだった。
性格はあたしとびっくり
するくらい真逆で明るくて
積極的でうるさいくらい(笑)
あたしはルックスも身長も
成績も運動もびみょ~…
ほんっとに何一つ
取り柄がない気がする。
光は同級生の
加藤新(かとうあらた)が
好きらしい…。
新とは普通に仲がいい。
よく、光と新とあたしと涼で
いるんだよね。
あたしにはずっと。
ずぅーーーっと前から
好きな人がいる…―