いじめられっ娘。



「っ……会長を、」

『あ?声が小さい。』

「会長をっ…巻きこんでしまって……すみませんでしたっ…!」


怖くて怖くて、声が震えた。

なんで私?

会長の目に、どうして私が映ったんだろう

会長補佐なんて、したくない――…ッ


『違う。』

「えっ、」

『俺が聞きたかったのはそんなことじゃねぇよ。』

「じゃぁ、何っ――」

『“会長から逃げ出してすみません。会長以外にいじめられてすいません。”だろ?クスッ…』

「っ…!!」


胸ぐらを掴まれて、面白そうに会長はそう言った。

大変なことになってしまったと、この時初めて思った。

捕まってしまったんだ、と。

この男に――…この冷徹な男(ヒト)に、まんまと捕まってしまったんだって




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