いじめられっ娘。



「いたっ…痛いです、会長…!」

『………』


っ……

何度、こんな風に連れて行かれなきゃいけないんだろう。

鞄は教室に置いたまま。

こんな乱暴に引っ張られたら、鞄なんか掴んでいられなかった。


「会長…!離してくださいっ…離して…ッ!」

『………』


こんなこと、今日で2回目…ぃや、3回目かもしれない。

でも、今は、私が何を言っても会長は何も言ってくれない――…。


「っ……」


怖い…。

意地悪言って面白がる会長も怖いけど、何も言わない会長の方が断然怖い。

なに…?

私、そんなに怒らせるようなことを言ったの?


これから起こるであろう出来事に怯えた私は、次第に涙が溜まり始めた。



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