いじめられっ娘。



「ど…して…?」


それなのに、留年なんて――…

留年になるかもしれないっていうのは、なんとなく勘づいてた。

勉強もろくにできないし、運動もできないし不器用だし…

ある先生からは、『勉強、本当にやってる?』って聞かれたことあるし…。


でも、私が留年になった決定的な原因は?

――ぁあ、思い当たる節が多すぎて分からない。


『俺が校長に直々に頼んだんだよ。普通ないよ。生徒会長が生徒会役員にも入っていない一生徒の留年をわざわざ校長に取り消すことを申請するなんて。』

「っ…!!」


どうやら会長は、そのことで私には会長に留年を取り消した恩があると言いたいらしい。

そんなこと、私は頼んでもいないのにっ…!


『これで分かっただろ?』

「ぇ…?」

『君は俺には逆らえない。校長は君の留年を取り消す代わりに君を生徒会に入れることを条件にこの書類にサインしたんだ。それに、…俺が君の留年を取り消したということは、俺にとって君を退学処分にさせることなんて造作もないことなんだよ?』

「ッ・・・!!」


最初から、絶対的だったんだ。

私が、会長に捕まることも、会長から逃れられなくなることも――…



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