いじめられっ娘。
「っ…もう、いいです。」
『最初からそうしていればいいんだ。』
多分、これは会長の優しさなんだと思う。
だけど…その優しささえも、強引だ。
だから…ありがたく受け取るべきなのに、こんなにもそっけなくなってしまう。
『…、何だ。課題は終わったのか。』
「あ、その…。」
私の机の上に置かれたノートを見て、会長はそう問いかけた。
「こ、この問題が…とけなくて、」
『また詰まってたのか。分からない問題は飛ばせと言っているだろう。』
「だっ、だって…。」
『まぁいい。座れ。』
でも、会長は意外と優しい。
普段、大抵はすごく俺様で、人の都合なんて微塵も考えてなくて、すごく意地悪だけど…――
私が出会った人たちの中で1番、私のことを気にかけてくれる人。
出会ってまだ間もないのに、私の心の変化にすごく敏感で、その度に声をかけてくれるんだ。
それに…言ったことは、必ず実行に移す人。
現に、私はこれまで会長以外の人から苛められたことはないのだから。