いじめられっ娘。
――『ヒナ、終わったか?』
「はっ、はい!大丈夫ですっ」
7時30分。
完全下校時刻だ。
『…帰るぞ。』
「はいっ!」
帰宅準備を終わらせた会長を待たせることも出来ず、私は早々と準備を済ませ、会長と一緒に生徒会長室を後にした。
「あの、昴様…。」
『何だ。』
「今日も、ありがとうございました。」
『・・・は?』
いつも私が話しかけても目を合わせないくせに、今は私がお礼を言ったのがそんなに驚きだったのか、会長にマジマジと見つめられる。
そ、そんなに見なくたって…
「いや、その…いつも、勉強で分からないところ、教えてもらってるから…。」
『そんなことか。』
「っ、そんなことって…!」
そんな言い草ってない!
こっちは勇気を振り絞って言ったのに!!
いつもと変わりなく冷徹な会長の返事に、少しがっかりした。