いじめられっ娘。



「っ、いたっ…待って、待ってくださいっ…!!」


握られた右手は強い力で離されず、私はまた会長様に引っ張られていた。

この廊下――…

生徒会長室に行くの?


「っ、痛いです、会長…!!」

『君がトロいからです。』

「っ…」

『そもそも君は、何故こうなってしまったのか、反省一つもしないんですか?』

「っ……それは、」


会長が怖い――…

絶対に怒ってる。

反省ったって…


さっきの冷やかしなんて慣れっこだった。

いつものことだもん。

いつも言われてることだったもん。


会長を巻きこんだのは悪いってことくらい、ちゃんと分かってる。

でも、私は助けを呼んでない。

だれも、助けてなんて思ってない。


でもそんなこと言ったら、会長は怒るんでしょう?



< 9 / 67 >

この作品をシェア

pagetop