番外編
『おねーさん!』
相も変わらず天気のいい午後。
いつものあの公園で、小さなあの子がその体いっぱいに両手を振って俺を呼んでいる。
それはここ最近では見慣れた光景で。
もう違和感すらなくなっている景色。
俺も当たり前のように彼女のもとへと向かった。
『こんにちは』
『こんにちは!』
顔をくしゃりと崩して屈託なく笑う姿はやっぱり愛らしい。
その笑顔は何度見ても綺麗な白い色をしてる。
曇りのないその瞳は汚れを知らないように見えた。
まさに純潔。
その言葉は遠い昔に俺が置いてきてしまった響きで。
少しだけ…いや物凄く羨ましいと思った。