番外編
それは子どもにしてはとても不思議な行動だ。
けれど彼女の不思議なところはそれだけではない。
『何か聞きたい歌ある?』
俺は彼女と出会ってから何度かこの質問をしたことがあった。
さすがに今時のアニメの歌は全部はわからないけど、子どもが歌ってる童謡くらいは大抵知ってる。
だから俺はこうやって彼女に度々リクエストを促した。
でも、何度聞いても彼女の答えはいつも同じ。
『んーん。おねえさんのおうたうたって?』
いつも決まって彼女は俺の歌を好んだ。
時にはそれが歌詞のついていないものでも。
みんなが知っている曲ではなく、俺が作った旋律を好む。