番外編




それは子どもにしてはとても不思議な行動だ。

けれど彼女の不思議なところはそれだけではない。




『何か聞きたい歌ある?』




俺は彼女と出会ってから何度かこの質問をしたことがあった。

さすがに今時のアニメの歌は全部はわからないけど、子どもが歌ってる童謡くらいは大抵知ってる。

だから俺はこうやって彼女に度々リクエストを促した。


でも、何度聞いても彼女の答えはいつも同じ。




『んーん。おねえさんのおうたうたって?』




いつも決まって彼女は俺の歌を好んだ。

時にはそれが歌詞のついていないものでも。


みんなが知っている曲ではなく、俺が作った旋律を好む。




< 17 / 24 >

この作品をシェア

pagetop