番外編
それはとても衝撃的なことだった。
だってそうだろう?
普通、こんな小さな女の子が全く知らない曲を聞きたいと思うだろうか。
聞いたことのない俺の歌がいいだなんて。
そんなこと言うだろうか。
だけど彼女はいつもそうなのだ。
たとえそれが鼻唄だろうとなんだろうと、俺が作ったものがいいと笑う。
俺の大好きな笑顔で。
それが、どうしようもなく嬉しかった。
『…じゃあ、新しく作ったやつにしようか』
そう言えば、また屈託のない笑顔を浮かべ頷く彼女。
そんな彼女の様子に俺も微笑みながら、昨日思い付いたばかりの新しい音を紡ぐ。