番外編




あの子がいなくなって少ししてから、俺もあの辺りを離れることになった。

それでも月に何度かはあの公園に足を運んでいたけれど、仕事が忙しくなるにつれて足は遠退いて。

ここ十年近く行けていない。


噂では公園自体はなくなってしまったとか。

思い出の場所なだけに、それを聞いたときは酷く寂しい気持ちになった。


それにしても、どうして今あの子の夢を見たのだろう。


確かにあの子を夢に見ることは今までにもあった。

俺が挫けそうになったときや逃げ出したくなるとき、決まって夢に現れていたから。


だけど今はそんな切羽詰まった状態ではない。

それなのに、どうして。




(…あ…)




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