お嬢様の番犬
プロローグ
『今日からヨルの主人は私だから』
満面の笑みで差し出された彼女の、手。
その手を取った日のことを、
僕は一生忘れない。
神に誓って、彼女を守ると。
世界の全てを敵にまわしても、
絶対に幸せにすると。
僕という“存在”は、
彼女があってはじめて生まれたから。
空っぽだった僕に、生きる意味をくれたのは、紛れもない彼女だから。
世界で一番大切な人を、
守り抜くと決めた。