向井君は向井さん
姉と由衣さんが通う高校は地元では有数の進学校だ。
あんな馬鹿げた提案をしてくる姉ではあるが意外と頭は良い。
余談ではあるが、俺の
通っていた学校は有数のヤンキーが集まる学校であった。
ボクシングをしていた俺に絡む奴はいないに等しかったが。
「ここから遠いんだっけ姉貴の学校って…」
姉が不在の場合、姉の事は姉貴と呼ぶ。
姉の前で姉貴なんて呼ぼうものなら「言葉遣いが乱暴よ!お姉様にしなさいよね!」とひっぱたかれる。
さすがにお姉様は嫌だと断り続け姉ちゃんで落ち着いたが。
「電車乗り継いで、そう20分くらいかしら」
「そっか、満員電車とか苦手だな俺…」
他校の生徒からサラリーマン、駅のホームの混雑ぶりにげんなりする。
「あ、そう」
「ん?」
由衣さんは思い出した様に爪先立ちで俺の耳元に囁く。
「痴漢いるから気をつけてね?」
「ちっ…かん?」
男である俺にとっては
身近な冤罪として怖がってはいたが、まさかされる側にまわるとは…。
あんな馬鹿げた提案をしてくる姉ではあるが意外と頭は良い。
余談ではあるが、俺の
通っていた学校は有数のヤンキーが集まる学校であった。
ボクシングをしていた俺に絡む奴はいないに等しかったが。
「ここから遠いんだっけ姉貴の学校って…」
姉が不在の場合、姉の事は姉貴と呼ぶ。
姉の前で姉貴なんて呼ぼうものなら「言葉遣いが乱暴よ!お姉様にしなさいよね!」とひっぱたかれる。
さすがにお姉様は嫌だと断り続け姉ちゃんで落ち着いたが。
「電車乗り継いで、そう20分くらいかしら」
「そっか、満員電車とか苦手だな俺…」
他校の生徒からサラリーマン、駅のホームの混雑ぶりにげんなりする。
「あ、そう」
「ん?」
由衣さんは思い出した様に爪先立ちで俺の耳元に囁く。
「痴漢いるから気をつけてね?」
「ちっ…かん?」
男である俺にとっては
身近な冤罪として怖がってはいたが、まさかされる側にまわるとは…。