向井君は向井さん
満員電車なんか乗るのは初めてだ。
俺が通っていた高校は
自転車で通学できる距離だったし、姉はこんな
苦労しながら学校行ってたのか?
我慢とゆう二文字が姉の辞書にあったとは。
「むう…」
車両に乗り込んで、すぐさま窓際までおいやられ押しつぶされそうな圧迫感に襲われる。
…しかし、むさ苦しい
男だらけの中で俺だけか女、とゆうか、女子高生だけど…いや違う、ああ、説明が面倒くさい…。やっぱり女性専用車両に乗れば良かっただろうかまさかここまで浮いてしまうとは…。
少し後悔しながら流れる景色をただただ眺める。サワ…っとスカートが
少し靡く。
風なんてありはしないのに、なぜ靡く?
これは…来たか。
少し警戒はするものの
勘違いもありうる。
ちょっと咳払いをして
再び、窓に視線を戻す。するとすぐさま、嫌な
感触を感じる、今度は
スカートではない
…内股だ…。
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