向井君は向井さん
これが、ここが姉の通っている学校か…。
俺が通っていた学校と
対して大差はないな。
雰囲気は、全然違って
ギラギラしたものはないけれど…それに清掃が
行き届いているのか廊下や窓は綺麗なものだ。
廊下で野球して窓を割り停学。みたいなバカはいないだろうし…。
周りをキョロキョロと
見回している姿に「健人君、不自然だよ」と
由衣さんが耳打ちする。確かに…初めて来ました感、丸出しだ。
上京した田舎者じゃないんだから、ここは姉である向井里緒菜でいないといけない。
「じゃあ教室行こう」
由衣さんと同じクラスであるのが唯一の救いだ。かなり心強い…。
「由衣さんはさ、姉貴の誘いでこの学校に?」
「ん、ううん。
私が里緒菜ちゃんに付いていった形かな」
「へえ、でも由衣さんならもっと上の学校を狙えたんじゃ…?」
「推薦…あったけど。
里緒菜ちゃんと一緒の方が楽しいと思えたから」
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