体だけでも繋ぎ止めたい
――あれから、二年
未だに続いてるこの関係は
なにも変わらない。
冷たい風が体を通り抜けて
あたしの髪をさらっていく。
そして、あたしの熱も流される。
「陸……あたしは怒ってない」
「嘘つくなよ」
「嘘じゃない」
あたしは、隣に座る
陸の顔をやっと見ることができた。
「ただ、寂しかったの」
あぁ…どうしよ
もう、泣きそう……
昨日のことを思い出して
目頭が熱くなってくる。
いつものことなのに
陸が隣にいなかったのは
初めてのことじゃないのに
「――姫乃」
「寂しかったよ……」
――ポタッ
久々に流した涙が頬を伝わって
膝へと落ちる。
こんなあたし、陸は好きじゃないのに
こんなこと言うはずじゃなかったのに
止めどなく
涙が流れた。