体だけでも繋ぎ止めたい



「姫乃、水着着てきた?」


「うん。めんどくさいと思って」


「じゃあ、脱いじゃおう!」


「え!?」


ここで!?


そんな言葉に驚いている私を置いて、目の前で早々とユリの生着替えが始まる。


ユリ……大胆すぎる。


それを見ていたのはもちろん私だけではなかった。


あんだけ騒いでいた剛も健斗も優夜も
ユリにくぎづけ。



「ハルさん怒るよ」


「「!!!!!」」


私がボソっと言うと
二人の体がビクッとした。


「あ…あれだよな!さっきカニいたよな」


そう言って剛が慌てて砂浜を探り始めた。


「そうそう!カニ!!ちいせぇカニ!」


その後を追って健斗が砂浜を掘り始める



なんだろこの光景……

凄くマヌケ。


そして二人の慌てぶりをよそに
ただ一人だけは相変わらず……



「ユリちゃん、ピンクの花柄似合うね〜」


「ふふ♪でしょ〜!新しいの買ったの」


優夜のチャラさはどうやっても止まらないらしい。






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