体だけでも繋ぎ止めたい
ハルさんはユリの彼氏で
三つ年上。
私たちの先輩でもあるから
悪さはできない。
「一緒に浮き輪入る?」
「優くん絶対ヤラシイことするでしょ!」
優夜は怖いもの知らずに違いない。
みんなの視線がズレている隙に
私も着ていた服を脱ごうとした
ーーー瞬間
バサっと何かが被さってきた。
「は……?」
確認するために頭に被さったそれを見れば、白いパーカーだった。
この匂い……
「あ!陸、やっと来た」
「ーー!?」
ユリが私の後ろの方に向かって声を上げると、私の体はその名前に反応した。
私のすぐ後ろからする陸の気配。
「ここで脱ぐなら、それで隠せ」
「……」
私の横を通り過ぎる瞬間に
聞こえた小さな声が、私の全身を支配する。
久しぶりの陸だ……
平然と現れた陸は
見惚れてしまうほどかっこよくて
自分の顔が火照っていくのが分かる。
私は言われたとおり
パーカーを上手く使って着替えた。