体だけでも繋ぎ止めたい
目の前にいる陸は、確かに笑ってる。
私じゃない誰かに……
そして、その笑い方を私は知ってる。
胸が締め付けられそうで
立ってるのがやっとな私。
嫌な予感がして
その予感は的中した。
「りく〜!」
後ろから、聞きたくない高い声。
私の横を通り過ぎた人物は
陸の所へ駆け寄って行った。
「更衣室が思ったより混んでて、遅くなっちゃった」
そう言って陸の事を見上げる姿に
可愛いと思った。
そして、白いレースの付いた水着が
彼女らしくてとても似合ってる。
「どう?」
その水着を満面の笑みで陸に見せる姿も
可愛い……
「ああ。よく似合ってる」
優しい声で陸がそう答えるのにも
納得してしまう。