体だけでも繋ぎ止めたい
お昼を過ぎた頃、剛と健斗も戻って来てから海の家にお昼を食べに行った。
少しして合流した陸は、やっぱり不機嫌で深山さんが一人で喋ってた。
そして、陸が優夜に耳打ちで何か言っている姿を見るとすぐに優夜が動いた。
「姫乃、なんかあったら真っ先にオレの所に来て」
心配そうな顔をして私の頭を撫でると
深山さんにも何を言ったのか二人でどこかへ行った。
なんかって……
さっきの流れ的に不安に思いながら
優夜がいなくなった方を見ていると、いきなり腕を掴まれた。
「ちょっ!」
「黙って来い」
タイミングよく、みんなが注文をしにカウンターへ行っていたからいいものの……
陸に強引に腕を引かれる。
これは、なんかあってからじゃ遅いんじゃないの……?
ただならぬ陸の雰囲気に
不安が大きくなる。
人が通らない建物の裏まで連れて行かれると、陸の足が止まった。
「お前、あれわざとか?」
「あれって……」
「笑っただろ!」
陸の声にビクっとなる。
「……だって彼女いたし、自然にしようと」
「オレが言ってんのはそこじゃねぇ!!」
バンッ!と大きな音がしたと同時に私は壁に押し付けられた。
「ーーー!!?」