体だけでも繋ぎ止めたい
頭が真っ白で
涙だけが流れてくる。
陸が目の前から去って行った瞬間が
まるでスローモーションのようだった。
終わったの………
「姫乃っ!」
優夜が、血相を変えて私の元に駆け寄ってきた。
「…ぅ…う…っ」
「姫乃!?だいじょう……」
「っ終わったの…」
私の体を支えようとする優夜の腕を掴んだ。
「姫乃……」
「終わっちゃったんだよ…っ…!」
壊れたように涙が出てくる。
二年間続けた関係が
あんなにも簡単に終わってしまった。
今思えば……
諦めるために想いを伝えたはずのあの時から、全ては間違っていたのかもしれない。
この二年間で
全てを押し殺していた。
それが、波になって押し寄せる。
本当は、陸の一番になりかった。
本当は、私の傍にいてほしかった。
好きだった……
愛してた……
言葉にしなかったのは
私も同じだった。