体だけでも繋ぎ止めたい
離れたいわけじゃなかったのに
限界だったのは確かで
愛していたから
愛を感じたかったのも確かで
本当は凄く欲張りなのも確かで
こんなにもドロドロな感情が
自分にあったなんてすごく怖かった。
真っ黒い何かに
飲み込まれてしまいそうだ……
「ーーの」
いっそ、その中に飛び込んでしまおうか……
だって、もう二度とこんなに辛い思いはしたくないーー
「姫乃!!」
「っ!?」
ハッキリと聞こえた声で
我に返ると
目の前には、今にも泣きそうな優夜の顔があった。
「姫乃、オレをちゃんと見ろ」
「ゆ…ゃ」
優夜が、両手でしっかりと
私の顔を自分に向けさせる。
「しっかりしろ。今は辛いけど、これから姫乃は幸せになるんだよ」
優夜の優しい声で
真っ黒いものが引いていく。
「大丈夫、姫乃は幸せになれる。オレが保証する」
やっぱ、優夜は
スーパーマンだ………