体だけでも繋ぎ止めたい



その言葉を聞いて
優夜の言っていたことを思い出した。



『後でいい所連れてってあげる』



あれは
本当に冗談じゃなかった……


私が言葉を失っていると
優夜の体が私の方に向いた。



「姫乃、昼間の話だけど……」


「……うん」


「混乱させて、姫乃の話も遮ってごめん。」


真っ直ぐと私を見て
本当に申し訳ない顔をする。


私は、静かに頷いた。



「あの時、姫乃の手が震えてるのに気づいて自分の言ったことに後悔した」



優夜の手が震えていたのは覚えてるのに、自分がどうだったかなんて思い出せない……



「だから全部、流してほしかったんだ」



私のため……


優夜の優しさに、胸が締め付けられる。




優夜の手が私の手にゆっくり触れる。



「本当はずっと言うつもりはなかった。でも、抱きしめたら……姫乃がオレのだったらって考えが止まらなかった」



優夜の本音……



笑って冗談にする
いつもの軽い男の人じゃなくて


真剣に、私と向き合ってくれてる。




「今更、本当のことをこんな場所で言うなんて、オレは情けなくてずるい男なんだよ」


優夜の手から
熱が伝わってくる。





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