体だけでも繋ぎ止めたい



私は……

どんなに卑怯で、都合のいい女なんだろう。



優夜の腕の中に飛び込めば
きっと幸せになれる。


私が憧れた
普通の恋人同士になれる。



そんな想像すらできる。




素直に飛び込めたならーーー




「私は自信ないよ……」



もう、随分前から
幸せなんて信じてない。


陸との幸せをずっと夢見ていたその結果がこれだ……



「いつかは私だけを見てくれる、幸せになれるって思っていたけど……やっぱり無理だったもん」



だからーーー



「それは、陸の話だろ?」


「え……」



「オレは陸じゃないよ」



ーーー……



陸の瞳が、揺れる。


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