体だけでも繋ぎ止めたい



「オレは、姫乃だけしか見えてない」


「ーー!?」


そう言って、私の手を強く握る優夜に息をするのも忘れてしまいそうになる。






でも私はまだーーー




「姫乃がオレだけを見てなくてもいいよ」



私の心を見透かしたかのようなことを言う。



「そんなのっーー私が嫌だよ!」


「分かってる。今はだから」



今は……



「すぐに、オレだけしか見えないようにさせるから」




視線を私から逸らさずに

私の手を自分の口元まで持っていくと、優しく唇が触れた。


ーーーっ!!


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