体だけでも繋ぎ止めたい



Side陸ーーー





オレの彼女の美里は
いつでも、オレしか見えていないと言う顔をする。


付き合い始めた時から、それは変わらない。



だから、美里がオレのパーカーに気付くのは当然だった。


姫乃が驚いている姿を、オレは助けてやることもできずに他の男に助けられるはめになるなんて。


“オレの彼女”


優夜の嘘にさえ、イラついた。



更に、顔を真っ赤にして優夜を見る姫乃を見たらどうにかなりそうだった。




優夜がオレたちのことを知っているのは、結構前から気付いてた。


姫乃と二人で消えた時も
見つけた時には、驚いた。


あんな顔して笑う姫乃を見たのは
本当に久しぶりでーーー




話す必要があった。




「姫乃に話がある。美里に、上手い理由つけて連れ出してくれ」


「……いいけど。これ以上姫乃傷付けるなよ」



んなこと、優夜に言われなくても分かってるつもりだった。




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