体だけでも繋ぎ止めたい
あんなに無表情だったのに
いつの間にか、感情を出せるようになって
オレの知らないところで
オレの知らない顔をして
イライラは、絶頂だった。
それを姫乃にぶつけて
挙句、泣かせて
救いようねぇ……
「りく…っ……もう終わりにしよう?」
体を震わせる姫乃が
精一杯絞り出した言葉が
オレには理解できなかった。
姫乃が終わりにしたがってるーー
姫乃が頷くのを見て
本気なんだと思ったら、取り乱した。
「おまえが……あの時…お前がそれでもいいってーーー」
言った瞬間、姫乃の笑顔が浮かんだ。
お互い了承して始めた関係。
それでもいいと言ったほど、想いが強かったはずのあの頃。
オレを諦めようとする姫乃を
どうしようもなく
手放したくなかった。
オレの気持ちを知りたいと言うけど
オレの気持ちを知ったら
お前はオレから逃げたくなる。
そうなったらきっと
オレは、逃がしてやれない。
だからその前に
手放してやらないとーーー
「……ごめんな」
大切すぎて、純粋に愛してやる自信がないオレを許してくれーーー