体だけでも繋ぎ止めたい
本当の笑顔
優夜と付き合いだしてから
充実した毎日が続いた。
みんなには、別に内緒にしようと思ったわけではないけど特に言わなかった。
そしたら夏休み後半
再び花火をしようと集まった時
「なんで言ってくれなかったの」
ユリが怒った顔で私に言ってきた。
最近優夜と私の雰囲気に違和感を感じてモヤモヤしていたらしい。
「言ってくれると思ってたのに、何もないから我慢できなくて優夜に聞いた」
私に聞いても
言わないと思ったんだろう。
私じゃなく、優夜に聞くなんて
ユリは賢い。
「一ヶ月近くも黙ってるなんて、私は姫乃のなんなの!?」
私がユリの怒りをくらっているというのに、すぐ傍で優夜が缶ビールを飲んでいるのが見えた。
こういう時のスーパーマンは出動してくれないみたい……
自分でなんとかしろと……
「ごめん。でも、私がそういうこと言わないの分かってたでしょ?」
ユリが俯いてしまった。