体だけでも繋ぎ止めたい
こういう時、どうすればいいか分からない。
普通は彼氏ができたって報告するもの?
私の経験上
そんなことなかった。
あ…でもユリは私に報告してくれたんだ。
てことは、やっぱり報告しなきゃダメだったのかな?
「姫乃のはいつも、私に話してくれないよね」
あの頃はただ、話せなかった……
高校時代、当たり前のように交わされる恋愛話にウンザリしていた自分の姿が浮かんでくる。
「うん……ごめんね」
「………」
顔を上げたユリと、目が合うとまだ怒った顔をしている。
ユリの機嫌はそんな簡単に
直らないと思っていたらーー
「優夜!姫乃のこと大切にしなかったら許さないからね」
思わぬ言葉に驚いた。
優夜も驚いただろうけど、暗くて顔は見えなかった。
ただ一言
「大切にします」
そう聞こえた。