体だけでも繋ぎ止めたい




「ごめん、遅れた!」


優夜が、息を切らしながら現れた。



「おぉ、遅かったな!無事決まった?」


「いや、全然」


剛が自分の飲みかけのお茶を優夜に渡すと、それを一気に飲みほした。



「なに、まだ納得いかないの?」


「いくわけないよね?てかさ、なんでオレなわけ」


半笑いの健斗に対して
優夜は珍しくご立腹のようだ。


一体、なんの話をしているのか
全然分からない。



「女子一同お前で納得だったじゃねーの」


「だから、嫌だって言ってんじゃん」


「お前に拒否権はない」


「は?ふざけんな」



剛がふざけた様子で腕を組む。


「姫乃がでるんだから仕方ないだろ?」


「は!?」


「!?」


優夜の驚く大きな声と同じくらい
いきなり自分の名前が出たことに驚いた。


優夜の視線が私に向けられると
ゆっくりと口を開いた。


「…マジ?」


私も驚いてるのに
私に聞かれても……


「マジよ。私が出したから」


私の代わりに
今度はユリが平然とした顔で答えた。


「え、なにを?」


「なにって……ユリ、お前姫乃に何も話さねーで出したの!?」


私の反応に今度は剛が驚く。



「だって言ったら絶対拒否されるじゃん」


「だから、何の話!?」


痺れを切らした私は
思ったよりも大きな声が出た。


「……ミスコン」


それに驚いたユリが
小さな声で答えた。

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