体だけでも繋ぎ止めたい
ミスコンの掲示板に貼り出された写真は、撮った覚えがないやつだった。
ユリに問い詰めれば
“優勝狙うからには、一番いい顔じゃないと”とか、またふざけたことを言っていた。
こんな写真、陸が見たら……
そんな考えが頭を過ぎり
咄嗟に頭を振った。
文化祭の準備に追われること二週間
気付けば明日に控えていた。
「もう優勝とかどうでもいいから、早く終わってほしい……」
久々に優夜とゆっくりできる時間がとれた帰り道。
最近は、学校中の晒し者にでもなったかのようにみんなの視線が集まってくるため、逃げるように過ごしてた。
「アハハ!相当まいってるね」
「笑い事じゃないよ。優夜は慣れてるからいいかもしれないけど、あんなに注目されるの嫌だ」
駅までの道を手を繋いで歩く。
そんなことも久々で
嬉しいはずなのに
優夜はのん気すぎる。