体だけでも繋ぎ止めたい
ーー翌日
早くから活気に溢れる校内。
その雰囲気に、早くもやられそうな私はサークルで建てたテントから離れられなかった。
人混みは嫌い。
「あ、あの人ミスコンの!」
「やっべ!写真より綺麗じゃね?」
テントに居たってこうして聞こえてくるんだから、当然出歩きたくない。
「姫乃、笑顔!」
不機嫌な私を無視して
ユリは容赦ない。
「あんたが私の代わりに笑えば」
「姫乃先輩、一応接客なので…」
見かねた後輩にまで
言われる始末。
ここに居るなら笑えと……
「焼きそば一つ下さ〜い」
「はぁ〜い!ほら、姫乃!」
チャラそうな男が笑顔で私を見る。
既にパックに入った焼きそばを
ユリに押し付けられた。
なんで私が……
「ありがとうございます」
「スマイルも下さ〜い」
「………」
溜まったストレスが
溢れそう。
二週間前から晒し者にされ
文化祭が始まってからは更に視線が集まってくる。
逃げ出したい……