体だけでも繋ぎ止めたい
優しさは罪
「もう、遅いよ!なにやって……」
テントに戻れば、予想通りユリはご立腹だった。
でもなぜか、私の顔を見たユリの言葉が詰まった。
「優くん、姫乃になにしたの!?」
「あ〜これ?」
優夜が私の顔を見て笑う。
なんか顔についてる?
確認しようと自分の顔を触ってみる。
なにもついてないじゃん……
「いや、姫乃。そうじゃなくて!」
「え?」
ユリに言われても、私は本当になんだか分からない。
「優くん!」
ユリの声で、私も優夜の顔を見た。
「その顔ダメって言ったじゃん」
「え?」
急いでテントにある自分の鞄から鏡を取り出した。
……顔が赤い。
「…っ…これは優夜がっーー」
「じゃあ、オレも戻らなきゃだからユリちゃんくれぐれも姫乃をよろしく。姫乃は、落ち着いてから接客しなよ」
言いたいことを言って
足速に去って行った。