体だけでも繋ぎ止めたい
逃げた……
私もなにを言おうとしたんだか……
「なにがあったの」
「は!?てか、ユリ接客しなよ」
お店を放ったらかして、奥にいる私の隣に来たユリは興味津々。
「やっぱなんかされたの?」
「言うわけないでしょ!それよりあれ、ハルさんじゃない?」
「え!?ハルくん!?」
ユリの気をそらすには
ハルさんの名前が一番有効。
逃げたくて、居るはずもない所を指さしたはずだったのにーーー
ユリの声が一段と明るくなった。
「ハルくん!!」
え…まさか、本当に?
声のする方を見れば
本当にハルさんがいた。