*SHORT STORY*
ねぇ晴香。
感謝してるのよ。
だから、ねぇ‥
そんなに泣きそうな顔をしないで。
あたしが泣きたく、なっちゃうじゃない―
泣いてはだめだ。
辛くなんかないから。
苦しくなんかないから。
大丈夫だから。
大丈夫だから、泣くな。
瞼の裏に浮かぶ、あなたの笑顔をかき消すようにあたしは空を見上げた。
涙を零さないように、空を見上げた。
空に映るのは色とりどりの花火と、
キラキラ光る龍の笑顔だった。
あなたを本当に、愛していた。