*SHORT STORY*
あたし達は確かに想い合っていた。
それ故の答えがこれだった。
一緒にいてはだめになる。
本当は‥言ってやりたい言葉はたくさんあった。
別れたくなんかなった。
でも龍の別れを告げたときに見せた、あの切ない表情を見ては―
全てを飲み込むしかできなかった。
別れてからも気持ちはそのままだった。
龍が好きだし、龍の気持ちもわかってた。
それで十分だった。
それがある日突然、壊れた。
別れてから約1ヶ月経った8月7日―
そう、去年の今日に、龍に彼女ができた。
元々モテてはいた。
すごくすごく悔しくて、龍があたし以外を愛するなんて想像もできなくて、考えるたびに息が詰まった。
ついこの間まで付き合ってはいなくても、気持ちは通じ合っていたのに。
龍はいきなり現れたその女に、取られた。
そんな気分だった。
許せなかった。
全てが。