立入禁止
都会に住んでる僕は僻地っていうのが珍しくて村の中を探検してみたり、おじいちゃん達の田んぼで野菜を採るお手伝いとかしてて楽しんでいた。
でもそれも一週間で飽きてしまった。
飽きを感じてからは持ってきていた携帯ゲームで遊んでたけど、それも二日前にゲームクリアして終わった。
違うゲームをしたくても他のソフトは持ってきてない。
こんなに事なら村の探検は後回しにしておくんだった……。
今更後悔しても遅い事だが後悔せずにはいられなくて肩を落とす。
遊ぶものが何もないと溜息を吐いた僕は、ふと近所に住んでるおばあちゃんの家でおっきな犬を飼っていた事を思い出した。
以前おじいちゃん達の家に遊びに来ていた時に、少しだけ遊んでいたのに忘れていた事が悔しい。
けれど、犬という遊び相手が居るのはやっぱり嬉しい。
緩みそうになる頬を引き締めながら、そのおばあちゃんの家に昨日遊びに行った。
そして其処で僕がおばあちゃんに告げられた言葉は、少し前に犬が逃げ出して居なくなってしまったという悲しいお知らせ。
それを聞いた僕は、犬が居なくなった淋しさと此処で本当にやる事がなくなったという残念な気持ちが入り混じり、心が折れそうになった。
お父さんとお母さんが迎えに来るまで、後、四日もあるのに。