立入禁止
不意に生暖かい何かが肩口に触れた事に気付いたその直後、激しい痛みが走る。
「ッぃぎ…!」
薄い皮膚を破り、肉にめり込んだその生暖かい何かに一気に引き千切られた。
ずるりと剥ける感じがして、女は気持ち悪さと異様な熱さを感じる場所に視線を遣る。
先刻までそこにあった筈の肩口の皮膚や肉は無くなり、骨が剥き出しになっていた。
「ぎゃぁああああああ!!」
肩口の状況を、現実を見て、そこで漸く強烈な痛みに襲われる。
言葉では云い表せない程の、想像出来ない程の、痛みと苦しみ。
噴き出す血潮を抑える事も逃げ出す事も出来ず、その場に俯せに女は崩れ落ちた。