グロリアスKISS


あたしは小さく息を吐いた。


「帰らなくていいわけ?お父さんとか心配してんじゃないの?」


あたしが歩くとそれに比例して日向雅弥も歩く。


「別に。もう高校生だぞ、ガキじゃねーし」


「あっそ。ねぇ、着いてこないで。店の人に見られたら大変なんだけど」


「あんたはさ、家に両親いないわけ?」


「別に。関係ないでしょ」


別にいないわけじゃない。死んだとかそういうことじゃないんだけど。


ただ、2人とも海外で働いてるから帰ってくるのなんて年に3回あるかないか。


1人暮らしみたいなもの。まっ、こいつに言う筋合いなんてないけど。
< 17 / 22 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop