私のヒーロー。
自分でも無意識のうちに、台所にある包丁を握っていた。
〝自分の事をいらない奴なんて思うな″
その時ふとあの警察官の言葉が頭に浮かんだ。
・・・・・なんであんな言葉をいちいち残したの?
あんなこと言われたら、死ぬことなんてできないじゃん。
「たすけて、誰か・・・・
助けてよ・・・・・・・」
私は久しぶりに泣いた。
一晩中、泣き続けた。
きっと私はあの警察官に恋をしたんだ。
でもきっともうあの人とは会うことはないだろう。