私のヒーロー。
「坂本さんもカッコいいけど、坂本さんはお父さんって感じ~」
「有里ちゃん・・・ヒドイ。」
そう言って坂本さんは泣き真似をする。
そんな坂本さんはそっちのけで有里は渡邉さんにぐいぐいと迫る。
渡邉さんは本気でうっとうしそうな顔をしている。
・・・もうここは、私が行くしかない。
バシャッッ!!
「ゴメンなさい!手が滑っちゃった。」
こんなベタな方法しかなくてごめんなさい。
私は渡邉さんのスーツに近くにあった水をこぼした。